倹約家Rの自由設計

税金10.5万円の授業料|衝動的にリバランスして学んだこと

特定口座のS&P500を500万円分売却し、全世界株式(除く日本)に乗り換えました。発生した税金は約10.5万円。

先に言うと、この判断は冷静とは言えませんでした。ただ、この経験をきっかけにポートフォリオの資産比率について真剣に考えるようになったので、その過程を正直にまとめます。

きっかけ

当時の投資信託ポートフォリオ(楽天証券、合計2,816万円)はこうでした。

分類概算額比率
米国集中(S&P500 + NASDAQ + SCHD + FANG+)約1,720万円約61%
全世界(除く日本)約649万円約23%
ゴールド約407万円約14%
新興国約38万円約1%

きっかけ自体は軽いものでした。楽天証券で保有ファンドの実績を眺めていたとき、S&P500よりも全世界株式(除く日本)の方が利益率が高いことに気づいたのです。S&P500の方が先に積立を始めたのに、後から始めた全世界株式の方が成績が良い。「じゃあ乗り換えようかな」と。

さらに4月のイラン情勢の緊迫で米国市場が大きく動いた時期でもあり、「米国に集中しすぎるのは怖い」「出産前にリスクを下げたい」という不安が重なって、深く考えずに売却してしまいました。

冷静に振り返って、何がまずかったのか

まず、過去リターンで売買を判断したこと自体が間違いでした。買付時期が異なるファンド同士の実績比較は条件が揃っていないし、過去の成績は将来を保証しません。「全世界株式の方が成績が良かった」のは、たまたま自分の買い付けタイミングがそうだっただけです。

そして最大の盲点は、実質的な米国比率がほとんど変わっていなかったことです。ファンド名だけ見ると、S&P500を全世界に切り替えたことで米国集中は61%→44%に下がったように見えます。しかし全世界株式(除く日本)の中身は約6割が米国株です。実質的な米国比率で計算すると、リバランス前は約75%、リバランス後でも約68%。10.5万円の税金を払って、実質7%しか下がっていません。

「S&P500かオルカンか」はインデックス投資でよく議論されるテーマですが、どちらを選ぶかよりも、自分のポートフォリオ全体で実質的にどの国・どの企業にどれだけ投資しているかを把握する方がずっと大事だと今回の経験で痛感しました。ファンド名の印象で「分散できている」と思い込むのが一番危ない。

さらに言えば、毎月19万円を積み立てているので、積立先の配分を変えるだけで時間をかけて同じ方向にリバランスできました。売却額500万円に対して税金は約2.1%。売却して税金を払う必要はなかったのです。

ポートフォリオバランスを考え直した

ここまでは反省です。ただ、この経験がなければポートフォリオの資産比率について真剣に考えることはなかったと思います。失敗を踏まえて、自分にとって適切なポートフォリオバランスを考え直しました。

まず、投資信託だけ見ても全体像は見えません。私の全資産(約3,140万円)の内訳は、投資信託が約87%、日本の個別株(国内株式+持株会)が約5%、確定拠出年金が約3%、現金が約4%、米国個別株が約1%です。さらに夫婦ともに日本企業勤務で、収入は100%円建て。人的資本・現金・個別株で日本には十分すぎるほど偏っているので、投資信託は「日本以外に分散する枠」と割り切る方が合理的です。

これらを踏まえて、投資信託部分の商品別の目標配分を実質的な地域配分ベースで考えました。

ファンド目標比率役割
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)55〜60%コア。地域分散の主軸
楽天・プラス NASDAQ-10010%成長枠。ハイテク・グロースの上乗せ
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0〜5%新規積立は停止 or 最小限
楽天・シュワブ高配当(SCHD)3〜5%高配当枠。現状維持
iFree 新興国株式5〜8%新興国の追加分散
ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)10〜15%インフレ・為替ヘッジ

この配分にすると、実質的な地域配分は米国約52%、非米先進国約20%、新興国約9%、ゴールド約13%になります。

ポイントは全世界株式(除く日本)をコアにして、S&P500の新規積立を止める or 大幅に減らすこと。今のS&P500の保有分を売る必要はなく、今後の積立で全世界と新興国の比率を上げていけば、時間をかけて目標に近づいていきます。

現状はまだこの目標に到達していませんが、今回のリバランスと今後の積立・一括投資先の変更で、資産バランスを目標に近づけていく予定です。年1回はポートフォリオ全体を点検して、必要に応じて積立配分を見直します。

まとめ

今回の経験で学んだことは2つです。

1つ目は、ポートフォリオの資産比率は「ファンド名」ではなく「中身の実質配分」で管理すること。ファンド名だけ見て判断すると、今回の私のように実態の伴わないリバランスをしてしまいます。

2つ目は、不安や焦りで衝動的に売買しないこと。「イラン情勢が怖い」「出産前に何かしたい」という感情で動いた結果、10.5万円の税金という余計なコストが発生しました。目標配分を先に決めて、積立の調整で対応する。売却は本当に最後の手段です。

10.5万円は高い授業料でしたが、ポートフォリオ全体を見直すきっかけにはなりました。同じ失敗をしないように、ここに記録しておきます。今後は投資ルールにもリバランスの方針を追加して、感情で動かない仕組みを作っていく予定です。

現在のポートフォリオの詳細は最新の資産レポートで公開しています。


※本記事は個人の体験と見解であり、投資助言ではありません。投資判断は自己責任でお願いいたします。